退職代行の料金相場2026年版|弁護士・労組・民間の価格差と使い分け

確認しておきたい基本情報

退職代行の料金相場2026年版|弁護士・労組・民間の価格差と使い分け

先に結論をお伝えします。退職代行サービスの料金相場は、運営形態によって大きく3つのレンジに分かれます。

  • 民間業者:15,000〜33,000円(退職の意思伝達のみ)
  • 労働組合:18,000〜29,000円(団体交渉・有給消化交渉あり)
  • 弁護士法人:27,500〜77,000円(残業代請求・訴訟対応まで)

「安いほどお得」に見えますが、料金の差には法律上の明確な理由があります。このページでは各サービスの公式サイトを調査した上で、2026年4月時点の実際の料金と、運営形態ごとにできること・できないことを整理しています。

業界の最新動向(2025年10月のモームリ家宅捜索、2026年3月のネルサポ労組提携終了など)も踏まえた上で、正直にお伝えします。


退職代行の料金相場は「運営形態」で決まる

退職代行サービスを検索すると、15,000円から77,000円まで、価格差が5倍以上に開いています。この差をざっくり「サービスの質の差」で片付けると、痛い思いをします。

料金の差は主に、「何ができるか(法律上の権限)」の差です。それぞれの特徴を見ていきましょう。

民間業者|15,000〜33,000円(最安値だがリスクあり)

民間の株式会社が運営するサービスは、価格の面では最もリーズナブルです。ただし、法律上できることは「退職の意思を会社に伝える」ことだけです。

有給消化の交渉・残業代の請求・退職金の交渉などは、弁護士法上の「法律事務」に該当します。弁護士資格も労働組合の団体交渉権もない民間業者が交渉を行えば、弁護士法第72条(非弁行為)違反となる可能性があります。

⚠️ 民間業者選びで注意すること
民間業者のサービスページに「有給消化の交渉対応」「退職条件の調整」などの文言がある場合、非弁行為に該当する可能性があります。 2025年10月には退職代行「モームリ」が弁護士法違反の疑いで家宅捜索を受けた事例があり(詳細は後述)、業界全体への警鐘となっています。

労働組合|18,000〜29,000円(コスパと対応範囲のバランスが良い)

合同労働組合が運営、または提携しているサービスは、労働組合法に基づく団体交渉権を持ちます。これにより、有給消化の交渉や退職条件の調整が法律上適法に行えます。

料金は民間業者とほぼ同水準(〜3万円以内)でありながら、交渉権が伴う点が大きな違いです。ただし、残業代の金額算定・請求や損害賠償対応・訴訟手続きは弁護士の領域となるため、そこは対応外です。

弁護士法人|27,500〜77,000円(法的トラブルには必須)

弁護士法人が直接手がけるサービスは、退職の意思伝達から残業代・退職金の請求、損害賠償対応、訴訟対応まですべてを法的に完結できます。

料金が最も高くなりますが、「会社から損害賠償を請求されるかもしれない」「未払い残業代が数十万円ある」といったケースでは、弁護士法人以外に依頼することで後から取り戻せるはずだった金銭を失う可能性もあります。


2026年4月時点の料金比較表(各社公式サイト調査)

以下は各サービスの公式サイトを調査した上で作成した比較表です。料金は変更されることがあるため、申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

サービス名 運営形態 料金(税込) 後払い 有給交渉 残業代請求
ネルサポ 民間(※注意後述) 一律 15,000円 × × ×
辞スル 民間(労組連携・要確認) 正社員 22,000円 / バイト 18,000円 ×
即ヤメ 労働組合(ユニオンネルサポート) 一律 24,000円 ◎ 完全後払い △交渉のみ
オイトマ 労働組合(日本通信ユニオン連携) 24,000円 / 後払いは+4,000円 ◎ 有料オプション △交渉のみ
わたしNEXT(女性向け) 労働組合(toNEXTユニオン) 正社員 21,800円 / バイト 18,800円 ◎ Paidy対応 △交渉のみ
男の退職代行(男性向け) 労働組合(toNEXTユニオン) 正社員 26,800円 / バイト 19,800円 ◎ Paidy対応 △交渉のみ
退職代行Jobs 労働組合提携(ユニオンジャパン) 27,000〜29,000円 ◎ 現金後払い+3,000円 △交渉のみ
退職代行ニコイチ 民間(弁護士監修・21年の実績) 一律 27,000円 × 前払いのみ △伝達のみ ×
弁護士法人みやび 弁護士法人 27,500〜77,000円(プランにより) × 前払いのみ
弁護士法人ガイア 弁護士法人 55,000円〜(成功報酬別) × 前払いのみ

※ 各社公式サイトを2026年4月に調査。料金は変更になる場合があります。申込前に必ず公式サイトでご確認ください。


「安いから」で選ぶ前に知っておくべき非弁行為の話

退職代行の料金相場を調べていると、1〜2万円台のサービスが目に入ります。価格だけを見れば魅力的ですが、一部のサービスには知っておくべきリスクがあります。

モームリ家宅捜索(2025年10月)が示した業界の現実

2025年10月、民間会社が運営する退職代行サービス「モームリ」が、弁護士法違反(非弁行為)の疑いで家宅捜索を受けました。

弁護士法第72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を行うことを禁止しています。退職代行において、会社との交渉(有給消化の交渉・退職条件の調整など)を民間業者が行うことは、この条文に抵触する可能性があります。

非弁行為のリスクをわかりやすく言うと
民間業者に依頼して「有給消化の交渉をやっておきます」と言われたとしても、その交渉が法的に無効になるリスクがあります。もし業者側が弁護士法違反に問われた場合、あなたの退職手続きが中断するリスクもゼロではありません。

ネルサポの労組提携終了(2026年3月)で変わったこと

退職代行「ネルサポ」は、2026年3月に労働組合との提携を終了しました。これにより、同サービスは現在、民間業者運営に戻った状態となっています。

以前は労組の団体交渉権に基づいて有給消化交渉などに対応していましたが、現時点では退職の意思伝達のみ対応できる状態です。業界最安値クラス(15,000円)は継続していますが、交渉が不要なケースに限って利用を検討してください。

なお、姉妹サービスの「即ヤメ」は現在も労働組合(ユニオンネルサポート)が運営しており、団体交渉権のある状態が維持されています。交渉まで希望する場合は即ヤメを選ぶのが適切です。


運営形態別|料金と「できること」の対応表

退職代行に依頼した後、実際に何をやってもらえるのかを整理しておきます。

できること 民間業者 労働組合 弁護士法人
退職の意思を会社に伝える
有給消化の交渉 ×(非弁行為の可能性) ◎(団体交渉権)
退職条件・退職日の交渉 ×
未払い残業代・退職金の請求 × △交渉のみ(金額算定・訴訟は不可)
損害賠償対応・訴訟対応 × ×
おおよその料金帯 15,000〜33,000円 18,000〜29,000円 27,500〜77,000円〜

「退職代行 = 辞めるだけ」という目的であれば、労働組合系のサービスが料金・機能のバランスで最もおすすめできます。民間より安全で、弁護士法人より安い。退職の大半のケースがここに当てはまります。


あなたの状況に合う運営形態の選び方

ここからは、よくある状況ごとに「どの運営形態を選べばいいか」をお伝えします。

「とにかく安く・今日中に辞めたい」→ 労組系2万円台

急いでいて、かつ料金を抑えたい場合は、2万円前後の労働組合系サービスが現実的な選択肢です。

  • 即ヤメ(24,000円・完全後払い):最短10分で会社連絡、完全後払い対応
  • わたしNEXT(女性・21,800円〜):女性向け特化、JRAA特級認定
  • 男の退職代行(男性・26,800円〜):男性専門、JRAA特級認定
  • オイトマ(24,000円〜):全額返金保証付き、労組最安水準

いずれも労働組合の団体交渉権があるため、有給消化の交渉まで対応可能です。

「未払い残業代も取り返したい」→ 弁護士法人一択

残業代・退職金の請求、会社側からの損害賠償請求への対応が必要なケースは、弁護士法人以外に選択肢はありません

弁護士法人みやびは退職代行プラン(27,500円)・交渉プラン(55,000円)・訴訟対応プラン(77,000円〜)と段階的にプランが分かれているため、状況に応じて選択できます。残業代や退職金の回収ができれば、弁護士費用を上回る金額を取り戻せるケースもあります。成功報酬は回収額の20%です。

弁護士法人ガイアも同様に弁護士直接対応で、残業代・退職金請求から訴訟対応まで一貫サポートが可能です。

「手元にお金がなくて今すぐ動けない」→ 後払い対応サービス

まとまったお金が準備できないとき、後払い対応のサービスを選べば退職日後や翌月に支払いを回せます。

サービス名 後払い詳細 料金
即ヤメ 完全後払い(退職日受理から1ヶ月以内) 24,000円
わたしNEXT / 男の退職代行 Paidy翌月後払い・コンビニ支払い等 18,800〜26,800円
退職代行Jobs 現金後払い対応(+3,000円) 27,000円〜(後払いは30,000円〜)
辞スル ミライバライ・辞スル後払い対応 18,000〜22,000円
オイトマ 有料オプション(+4,000円)で後払い 28,000円(後払いオプション込み)

※ 各社公式サイト調査(2026年4月)。後払い条件の詳細は申込前に公式サイトでご確認ください。


後払い・返金保証・その他コスパ要素で比べる

料金の絶対値だけでなく、以下のような付帯条件もサービス選びの判断基準になります。

  • 返金保証:オイトマは全額返金保証を設けています。退職が成立しなかった場合の安心材料になります。
  • アフターフォロー:ニコイチは退職後2ヶ月のアフターフォロー付き。みやびや弁護士法人ガイアは無期限アフターフォローを提供しています。
  • 転職サポート:退職代行Jobsは転職サポート・引越しサポートが付帯しています。
  • 傷病手当申請サポート:弁護士法人ガイアは傷病手当金の申請サポートも対応しています(心身の不調による退職時に有用)。
  • 対面相談:retry(行政書士 翔事務所)は兵庫県内一部地域では対面相談や貸与物回収の代行も対応しています。

「とにかく今日中に退職連絡をいれたい」という方は即日・当日対応の可否も確認しておきましょう。上記サービスはいずれも当日依頼・即日退職連絡に対応しています。


よくある疑問に答える

Q. 退職代行を使って会社から訴えられるリスクはある?
民法第627条では、期間の定めのない雇用契約は申し出から2週間で解約できると定められています。退職の意思表示自体は労働者の権利であり、退職代行を使ったことで損害賠償が認められるケースは極めてまれです。ただし、繁忙期の一斉退職・会社の機密情報を持ち出した後の退職など、特別な事情があるケースは弁護士法人への相談が安心です。

Q. 親や家族に退職代行の利用がバレる?
退職代行業者が家族に連絡することは通常ありません。会社側から自宅に電話がくる可能性はゼロではありませんが、退職が成立した後であれば会社からの連絡は法的に強制できるものではありません。心配な場合は「家族への連絡を拒否する」旨をあらかじめ担当者に伝えておくとより安心です。

Q. 退職代行を使っても離職票は受け取れる?
離職票・源泉徴収票・雇用保険被保険者証などの書類は会社が交付義務を負っています。退職代行を通じた退職でも、これらの書類の交付は請求できます。もし会社側が交付を拒否した場合、労働組合や弁護士法人であれば交渉や法的対応が可能です。

Q. 試用期間中でも退職代行は使える?
試用期間中であっても退職代行は利用できます。ただし、試用期間開始から14日以内は、民法第627条の2週間前申告が適用されず即日退職が難しいケースもあります。詳細は各サービスへの相談時に確認してください。

Q. 弁護士法人への依頼はなぜ料金が高いのか?
弁護士が直接担当するため、退職の意思伝達・有給交渉にとどまらず、未払い残業代の計算・請求・訴訟対応まで一貫して対応できます。残業代が数十万円以上見込まれる場合は、成功報酬を差し引いても「依頼しない場合よりプラス」になる可能性があります。費用対効果の観点で考えることをおすすめします。


【まとめ】
退職代行の料金相場は15,000〜77,000円です。価格の差は「運営形態の違い(できることの違い)」によるものです。
交渉まで必要なら→ 労働組合系(18,000〜29,000円)
残業代・損害賠償対応が必要なら→ 弁護士法人(27,500〜77,000円〜)
後払いで急ぎ辞めたいなら→ 即ヤメ・わたしNEXT・Jobs など
いずれのサービスも初回相談は無料です。まず相談だけしてみて、担当者の対応を比べてから決めても遅くありません。